パーツクリーナーの成分が体に悪いのではないかと心配していませんか?
「作業中に吸い込んで気分が悪くなった気がする」
「目に入ってしまって失明しないか怖い」
結論から言うと、パーツクリーナーの主成分は有機溶剤(石油系)であり、人体にとって有害です。
吸入すれば中毒症状を、目に入れば角膜損傷を引き起こすリスクがあります。
しかし、恐れるばかりではなく、正しい成分知識と緊急時の対処法を知っておけば、安全に使用することができます。
この記事では、具体的な成分名、人体への影響、そして万が一の事故の際の正しい処置について詳しく解説します。
パーツクリーナーの主な成分(SDS)

パーツクリーナー(ブレーキクリーナー)の裏面を見ると、様々な成分名が書かれていますが、これらは主に油を溶かすための溶剤です。
危険な「有機溶剤」が主成分
多くの製品に含まれているのが、以下の有機溶剤です。
- ヘキサン
- トルエン
- アセトン
- イソヘキサン
これらはSDS(安全データシート)において、引火性や急性毒性が指摘されている物質です。
特に「第一石油類」に分類されるものは引火点が低く、静電気ひとつで爆発する恐れもあります。
ノンフロンやアルコール系との違い
最近では、人体への影響を少しでも減らすために、以下のような製品も出ています。
- ノンフロン: 毒性の強い塩素系溶剤を使わないタイプ。
- アルコール系(エタノール): ゴムや樹脂を傷めにくいが、洗浄力はややマイルド。
用途に合わせて、リスクの低い製品を選ぶことも一つの安全策です。
人体への影響と中毒症状

「少しなら大丈夫」という油断が、取り返しのつかない健康被害を招くことがあります。
吸い込んだ場合(吸入毒性)
締め切った室内やガレージで使用すると、揮発したガスが充満します。
これを吸い込むと、シンナー遊びと同じような有機溶剤中毒の状態になります。
- 初期症状: 頭痛、めまい、吐き気、酩酊感(酔った感じ)。
- 重症化: 意識障害、呼吸困難、最悪の場合は死に至ることも。
ガスは空気より重く、足元に溜まるため、換気扇だけでなくドアを開けて空気の通り道を作ることが必須です。
手や皮膚への影響
強力な脱脂作用は、金属の油だけでなく、人間の皮膚の油分も瞬時に奪い去ります。
素手で触れると、皮膚のバリア機能が破壊され、化学熱傷(薬品による火傷)やひどい手荒れを引き起こします。
また、皮膚から成分が体内に吸収される(経皮吸収)リスクもあります。
目に入った時の緊急対処法(最優先)

もし作業中に液が跳ねて目に入ってしまったら、失明の危険があります。
迷わず、以下の行動をとってください。
15分以上、流水で洗い続ける
まぶたを無理やり開けて、すぐに水道水で目を洗ってください。
洗眼時間は最低15分です。「もう痛くない」と思っても、組織の奥に成分が残っている可能性があります。
直ちに眼科を受診する
水道水での洗浄はあくまで応急処置です。
角膜が溶けたり、傷ついたりしている可能性があるため、必ず眼科医の診察を受けてください。
その際、使用していたパーツクリーナー(またはその写真)を持参すると、医師が成分を特定でき、適切な治療につながります。
よくある質問(FAQ)
パーツクリーナーに関するよくある疑問にお答えします。
- Q. ホームセンターのパーツクリーナーは成分が違いますか?
- A. 基本的な洗浄成分は同じですが、容量が少なかったり、噴射圧が弱かったりします。また、乾燥速度(速乾・遅乾)の調整が大雑把な場合もあるため、ゴム部品への攻撃性には注意が必要です。
- Q. 室内で使う時の注意点は?
- A. 必ず窓を2箇所以上開けて換気してください。また、石油ファンヒーターなどの火気がある部屋では絶対に使用しないでください。引火して爆発します。
- Q. 手についた臭いが取れません。
- A. 石鹸でよく洗い、ハンドクリームで保湿してください。有機溶剤は皮膚に浸透しやすいため、臭いが残ることがあります。次回からは必ず耐油手袋(ニトリル手袋)を着用しましょう。

まとめ
パーツクリーナーの成分とリスクについて解説しました。
- 主成分は有機溶剤。強力だが人体には有害。
- 吸い込むと中毒、目に入ると角膜損傷の恐れ。
- 使用時は換気、保護メガネ、耐油手袋が必須。
「ただの掃除スプレー」ではなく、「危険な薬品」を扱っているという意識を持つことが、あなた自身の体を守ることにつながります。
安全装備を整えて、快適なメンテナンスライフを送ってください。

