「メガネをかけていると、骨伝導イヤホンのフックがツルと喧嘩して浮いてしまう」「長時間つけていると、こめかみが締め付けられて頭痛がしてくる」
そんな経験はありませんか?テレワークや運動中の「ながら聴き」に最適な骨伝導イヤホンですが、メガネユーザーにとっては「耳周りの渋滞問題」が切実な悩みですよね。
結論からお伝えすると、メガネユーザーにとっての正解は以下の通りです。
「フックが細いチタン合金製」のモデルを選び、必ず「イヤホンを先に装着してから、その上にメガネをかける」ことです。
もしあなたがデスクワーク中心で激しい運動をしないのであれば、物理的に干渉しない「イヤーカフ型」を選ぶのが最も確実な解決策になります。
この記事では、数多くのオーディオデバイスを検証し、自身も重度のメガネユーザーである筆者が、耳上の干渉を物理的に解消するための「機種選定基準」と「痛くならない装着テクニック」を徹底解説します。単なる商品紹介ではなく、今日から実践できる調整法まで踏み込んでお伝えします。
結論:メガネと干渉しない骨伝導イヤホンの条件と装着順序
メガネユーザーが骨伝導イヤホンで失敗する最大の原因は、「フックの厚み」と「装着順序の間違い」にあります。
快適なリスニング環境を手に入れるためには、以下の条件と手順を必ず守ってください。
- 条件:フック部分が極限まで細く、柔軟性のある「チタン合金製」を選ぶこと。(プラスチック製の太いフックはNG)
- 手順:「イヤホン」が先、「メガネ」が後。
なぜ「イヤホン先・メガネ後」が鉄則なのか
最も重要なのは装着順序です。必ず「イヤホンを先に装着し、その上からメガネのツルを通す」ようにしてください。
理由は単純ですが物理的に重要です。骨伝導イヤホンは、振動板(パッド)が頬骨にしっかりと密着していないと音が伝わりません。もしメガネを先にかけてしまうと、メガネのツルが邪魔をしてパッドが浮いてしまい、音質がスカスカになったり、音漏れが激しくなったりします。
また、人間の耳の付け根(耳介と頭蓋骨の間)には、わずかな「スリット(隙間)」があります。先にイヤホンの細いワイヤーをこのスリットの奥に滑り込ませ、その上からメガネのツルを被せることで、メガネがイヤホンを適度に押さえつけ、むしろ安定感が増すのです。逆の手順だと、メガネのツルがイヤホンを外側に押し出してしまい、不安定になります。
失敗しないスペック:「チタンフレーム」一択の理由
次にハードウェアの選び方ですが、素材は「チタンフレーム」一択です。
安価な骨伝導イヤホンに見られる「プラスチック製」のフレームは、耐久性を確保するためにどうしても厚みが出ます。この「厚み」がメガネのツルと激しく干渉し、耳裏の痛みを引き起こします。
一方、Shokzなどの高級機に採用されるチタン合金は、非常に強度が高いため、ワイヤーを極限まで細くできます。さらに、金属特有の「しなり」があるため、メガネのツルの形状に合わせて柔軟に避けてくれます。「細さ」と「しなり」こそが、メガネユーザーが確保すべき最重要スペックです。
タイプ別:メガネユーザーにおすすめの骨伝導&オープンイヤー機種
一口に「耳を塞がないイヤホン」と言っても、実は「骨伝導(振動で伝える)」と「空気伝導(小さなスピーカーで伝える)」の2種類が存在します。
ライフスタイルによって最適な形状は異なります。ここでは「メガネとの相性」という観点で、2つの最適解を提示します。
【安定性重視】ネックバンド型(Shokz等)が合う人
ランニングやジムでのトレーニングなど、体を動かすシーンが多い人には、従来型の「ネックバンド型(左右がつながっている骨伝導タイプ)」がおすすめです。
代表格はやはり「Shokz(旧AfterShokz)」シリーズです。特にハイエンドモデルの『OpenRun Pro』や、最新の『OpenRun Pro 2』は、フック部分が驚くほど細く設計されており、メガネとの干渉トラブルが最も少ない機種として定評があります。
このタイプのメリットは、側圧(頭を挟む力)によって固定されるため、走ってもズレないことです。「メガネのツル」と「イヤホンのフック」の2点でホールドするため、多少の干渉は許容しつつも、「絶対に落としたくない」というニーズに応えます。
【快適性重視】イヤーカフ型(HUAWEI等)が合う人
もしあなたが「運動はあまりしない」「デスクワークで長時間つけっぱなしにしたい」というのであれば、「イヤーカフ型(クリップ型)」を強く推奨します。
代表的な機種には『HUAWEI FreeClip』や『Bose Ultra Open Earbuds』、『Anker Soundcore C30i』などがあります。
【重要】これらは厳密には「骨伝導」ではありません。
これらは耳の近くで音を鳴らす「空気伝導(オープンイヤー型)」です。骨伝導特有の「振動」がないため、くすぐったさが苦手な人にはむしろ好適ですが、静かな場所では骨伝導よりも音漏れしやすい傾向があります。
それでもここで推奨する理由は、「メガネのツルが通る『耳の付け根(耳上)』を一切使用しない」からです。物理的に接触する場所が違うため、フレームが極太のメガネだろうが、サングラスだろうが、干渉のしようがありません。メガネユーザーにとっての「究極のノーストレス」は、骨伝導という方式にこだわらなければ、このイヤーカフ型にあります。
実践編:マスクも追加!「3点干渉」を防ぐテクニック
現代においては、「メガネ+イヤホン」に加えて「マスク」まで装着する「3点干渉」の状況も珍しくありません。耳の裏が大渋滞を起こし、痛みが発生しやすいこの状況を乗り切るための実践テクニックを紹介します。
メガネ・マスク・イヤホンの正しい重ね順
3つのアイテムを重ねる場合、皮膚に近い側から以下の順序で装着するのが、最も痛みが少なく、機能的です。
- 1層目(最内):骨伝導イヤホン
音を伝えるために、必ず肌に直接密着させる必要があります。 - 2層目(中間):マスクの紐
イヤホンの上からマスクをつけます。紐が細いタイプを選ぶとより快適です。 - 3層目(最外):メガネ
最後にメガネをかけます。
この順序にすることで、一番外側にあるメガネを外すだけで、イヤホンやマスクに影響を与えずに目を休めることができます。
注意点として、マスクを飲食などで頻繁に着脱する場合は、マスクを一番外側(メガネの上)にするのもアリです。しかし、耳裏の圧迫感を減らす意味では、固い素材(メガネのツル)を一番外にして、柔らかい素材(マスク紐)を中に挟む方が、クッション代わりになり痛みは軽減されます。
こめかみが痛い時の応急処置と微調整
長時間使用でこめかみが痛くなる原因は、「側圧(締め付け)」が強すぎるか、当たる位置が悪いためです。以下の2つを試してください。
1. 装着位置の微調整(スイートスポット探し)
振動パッドを、こめかみの真上ではなく「耳の穴のすぐ手前(耳珠の前)」まで少し下げてみてください。骨の形状によっては、数ミリ位置をずらすだけで圧力が分散され、痛み消えるポイント(スイートスポット)が存在します。
2. ティッシュ箱を使った「側圧」調整
購入直後のShokzなどは側圧が強めに設定されています。痛みが強い場合は、夜寝る間などに「ティッシュ箱」のような幅のある物にイヤホンを装着させておき、物理的にバンドを広げるという荒技ですが効果的な方法があります。一晩広げておくだけで、チタンフレームがわずかに馴染み、締め付けがマイルドになります。(※広げすぎに注意してください)
まとめ
メガネユーザーが「耳を塞がないイヤホン」を選ぶ際、妥協してはいけないのは「干渉しない構造」です。以下のルールを基準に選んでみてください。
- 鉄則:骨伝導を使うなら「イヤホンが先、メガネは後」の順序を守る。
- 骨伝導(Shokz等):スポーツをする人、ズレない安定感が欲しい人向け。チタン製を選ぶのが必須。
- 空気伝導(イヤーカフ型):デスクワーク中心の人向け。骨伝導ではないが、メガネとの干渉は物理的にゼロになる。
まずは、今お使いのメガネのツルの太さを確認してみてください。もし「太めのセルフレーム」をお使いなら、迷わずイヤーカフ型を検討するか、家電量販店の店頭や「Rentio(レンティオ)」などの家電レンタルサービスを利用して、Shokzの装着感を実際に試してみましょう。快適なオーディオライフは、正しい「試着」と「仕組みの理解」から始まります。



