「ついにGR IVのHDFモデルが出る!…でも、NDフィルターがないって本当?」
「GR IIIを愛用しているけど、買い替えるほどの進化はあるの?」
そんな風に、決断をするのをためらっていませんか?
結論から申し上げますと、日常を映画のワンシーンのように残したいなら、「GR IV HDF」への乗り換えは必須です。
53GBの内蔵メモリや、あらゆるブレを止める強力な手ブレ補正は、あなたのスナップ体験を劇的に快適にしてくれるでしょう。
ただし、日中のスローシャッター撮影に強いこだわりがある方だけは、手元の「GR III」を手放してはいけません。
この記事では、スペック表には書かれていない「光の捉え方」の違いを中心に、GR IV HDFの真価を検証します。
GR IV HDF vs GR III 決定的な違いは「光の捉え方」
GR IV HDF最大の特徴であり、GR IIIとの最大の分岐点は、レンズに内蔵された「フィルター」の種類です。
HDFフィルターが作る「シネマティックな日常」
GR IV HDFには、ND(減光)フィルターの代わりに「HDF(ハイライト拡散)フィルター」が搭載されました。
これは、これまでのGRが目指してきた「高解像・ハイコントラスト」とは真逆のベクトルです。ボタンひとつでHDFをオンにすると、ハイライト部分がふわっと滲み、コントラストが下がります。
- コンビニの看板: 刺すような明るさが、優しい光の塊に変わります。
- 西日が差し込む窓辺: 白トビしそうな強い光が、室内の空気に溶け込むような描写になります。
ただの記録写真が、シャッターを切った瞬間に「記憶の中のワンシーン」のようなエモーショナルな一枚に変わる。このカタルシスこそが、GR IV HDFを持つ最大の理由です。
脱NDフィルターの是非。明るい屋外で困らない?
一方で、GR IIIに搭載されていた「NDフィルター(光量を落とす機能)」は廃止されました。
「昼間に絞り開放(F2.8)で撮れなくなるのでは?」と心配される方もいるでしょう。
しかし、GR IV HDFは最高シャッタースピードが1/16000秒(電子シャッター)まで高速化されています。
NDフィルターなしでも、超高速シャッターを使えば日中開放撮影は十分に可能です。ただし、川の流れを糸のように撮る「スローシャッター撮影」に関しては、NDフィルターがないと非常に困難です。この点だけが、GR IIIを使い続ける唯一にして最大の理由となります。
6年分の進化!GR IV HDFの価格・発売日・スペック比較
フィルター以外の「カメラとしての基礎体力」も、6年の歳月を経て劇的に進化しています。
| 機能 | GR IV HDF (2026) | GR III (2019) |
|---|---|---|
| 発売日 | 2026年1月16日 | 2019年3月15日 |
| センサー/エンジン | 約2574万画素 / GR ENGINE 7 | 約2424万画素 / GR ENGINE 6 |
| 手ブレ補正 | SR 5軸・6.0段 | SR 3軸・4.0段 |
| 内蔵メモリ | 約53GB | 約2GB |
| 起動時間 | 約0.6秒 | 約0.8秒 |
画質・手ブレ補正はどこまで進化した?
手ブレ補正は「4段」から「6段」へ。
たった2段の違いに見えますが、体感は別物です。夜の路地裏で、片手でラフにシャッターを切っても、驚くほど写真が止まります。
また、新エンジン「GR ENGINE 7」により高感度耐性も向上。ISO 6400でもノイズが不快にならず、ザラつきさえもフィルム粒子のような味として楽しめる画作りになっています。
起動0.6秒&メモリ53GBで「撮り逃し」ゼロへ
地味ながら革命的なのが「内蔵メモリ53GB」です。
これは、RAW+JPEGで撮影しても数千枚が保存できる容量です。「SDカードをPCに挿したまま家を出てしまった」という絶望から、スナップシューターはついに解放されます。
「カメラだけポケットに入れて手ぶらで出かける」という究極のスナップスタイルが、リスクなしで実現できるのです。

【結論】GR IIIから買い替えるべき?
最後に、あなたがどちらを選ぶべきかまとめます。
GR IV HDFに買い替えるべき人
- 写真を「記録」から「作品」へと昇華させたい人
- 夜のスナップ撮影が多く、手ブレ補正と高感度性能を重視する人
- SDカードの管理が面倒で、本当の意味での「手ぶら撮影」をしたい人
- GR IIIのAF速度に不満があった人(GR IVは食いつきが違います)
GR IIIを使い続けるべき人
- 日中のスローシャッター表現(人混みの流し撮りなど)が大好きな人
- 「写真は常にシャープであるべき」と考え、ソフト効果を好まない人
- 現状のGR IIIで特に不満がなく、完成された名機を愛し続けたい人
まとめ
GR IV HDFは、単なるスペックアップ版ではありません。
「写りすぎる現代のデジタル写真」に対して、「滲み」や「曖昧さ」という情緒を取り戻そうとする、リコーからの提案です。
SDカードすら持たず、ポケットにGR IV HDFだけを突っ込んで、街へ出かけましょう。
見慣れた景色が、映画のワンシーンのように輝き出す瞬間が待っています。

