スイッチングハブを導入してから「インターネットが遅くなった」「ゲームのラグが酷い」と感じていませんか?
複数のデバイスを有線接続できて便利なスイッチングハブですが、正しく選択・設置しないと通信速度の低下やゲーム時の遅延を引き起こすことがあります。
実は、古いスイッチングハブを使っているだけで、回線速度が10分の1になっているケースも珍しくありません。
この記事では、スイッチングハブによる速度低下の主な原因5つと、ゲーム遅延を改善する具体的な解決策を分かりやすく解説します。適切な対処法を実践すれば、快適なネットワーク環境を取り戻せます。

- スイッチングハブで速度低下が起きる5つの原因
- ゲーム遅延(ラグ)が発生するメカニズム
- 速度改善のための具体的な対処法
- スイッチングハブの正しい選び方と設置方法
スイッチングハブで速度低下が起きる5つの主な原因
スイッチングハブを使っているのに通信速度が遅い場合、以下の5つのいずれかが原因になっている可能性が高いです。それぞれ詳しく見ていきましょう。
原因1:ギガビット非対応のスイッチングハブを使用している
最も多い原因がこれです。10年以上前に購入した古いスイッチングハブは、100Mbpsまでしか対応していない「Fast Ethernet」規格の製品が多く存在します。
現在の光回線は1Gbps(1000Mbps)が主流ですが、100Mbps対応のハブを使っていると、その時点で速度が10分の1に制限されてしまいます。
確認方法は簡単です。スイッチングハブ本体やケーブルに印字されている型番を調べるか、製品の仕様を確認してください。「10/100/1000Mbps」または「ギガビット対応」と記載されていれば問題ありませんが、「10/100Mbps」のみの表記なら買い替えが必要です。
原因2:古いLANケーブル(Cat5以下)を使用している
スイッチングハブがギガビット対応でも、LANケーブルが古い規格だと速度は出ません。
LANケーブルには「カテゴリ」という規格があり、以下のように速度が異なります:
| カテゴリ | 最大速度 | 評価 |
|---|---|---|
| Cat5 | 100Mbps | ❌ 遅すぎる |
| Cat5e | 1Gbps | ⭕ 家庭用に十分 |
| Cat6 | 1Gbps(短距離なら10Gbps) | ⭕ おすすめ |
| Cat6A | 10Gbps | ◎ 将来性あり |
Cat5のケーブルを使っている場合、スイッチングハブやルーターがどれだけ高性能でも100Mbpsが上限になります。LANケーブルに「CAT5E」「CAT6」などと印字されているので、確認してみてください。
原因3:スイッチングハブの処理能力不足や故障
ギガビット対応でも、スイッチングハブの内部処理能力が追いついていないケースがあります。特に安価な製品では、「ノンブロッキング」という仕様に対応していないことがあります。
ノンブロッキングとは、複数のポートで同時に通信しても速度が低下しない設計のこと。この機能がないと、家族が動画を見ている間にゲームをすると、お互いの通信が遅くなってしまいます。
また、長年使用しているスイッチングハブは経年劣化や故障で性能が落ちることもあります。定期的な再起動で改善する場合もあるので、試してみる価値はあります。
原因4:デイジーチェーン接続による帯域幅の圧迫
「デイジーチェーン」とは、スイッチングハブを数珠つなぎにする接続方法です。
例えば:ルーター → ハブA → ハブB → パソコン
このような接続をすると、ハブAとハブBの間の1本のケーブルに、すべての通信が集中してしまいます。結果として、ボトルネックが発生し速度が低下します。
特に複数の部屋にLANを分配している賃貸マンションなどでは、この問題が発生しやすいです。
原因5:ループ接続によるブロードキャストストーム
これは致命的な問題です。スイッチングハブ同士を2本以上のケーブルで接続してしまうと、「ループ」が発生し、ネットワーク全体が停止することがあります。
データが同じ経路を無限にぐるぐる回ってしまう現象で、「ブロードキャストストーム」と呼ばれます。これが起きると通信速度が極端に遅くなるか、完全に通信不能になります。
最近のスイッチングハブには「ループ検知機能」が搭載されているものもありますが、古い製品では対応していないことが多いので注意が必要です。
スイッチングハブがゲーム遅延を引き起こすメカニズム
オンラインゲームで重要なのは、単なる「速度」だけでなく「遅延(Ping値)」です。ここでは、スイッチングハブがゲーム遅延にどう影響するのか解説します。
パケット転送の遅延がping値に影響する仕組み
Ping値とは、データを送信してから応答が返ってくるまでの時間を表す数値で、単位は「ms(ミリ秒)」です。この数値が小さいほど快適で、オンラインゲームでは20ms以下が理想とされています。
スイッチングハブは、データ(パケット)を受信してから転送するまでに若干の処理時間がかかります。これを「レイテンシ」と呼びます。通常は数十マイクロ秒(100万分の1秒の数十倍)程度なので、人間が体感することはほとんどありません。
しかし、古いハブや処理能力の低いハブでは、この遅延が積み重なってping値の悪化につながります。
特に以下の状況では遅延が顕著になります:
- 複数のデバイスが同時に通信している
- 大容量のデータ転送が行われている
- デイジーチェーン接続でハブを何台も経由している
アンマネージドハブとマネージドハブの違い
スイッチングハブには大きく分けて2種類あります:
アンマネージドハブ(一般的なハブ):
挿すだけで使える簡単なタイプ。設定不要で手軽ですが、通信の優先制御ができません。
マネージドハブ(高機能ハブ):
Webブラウザなどから詳細な設定ができるタイプ。QoS(Quality of Service)機能で、ゲームの通信を優先的に処理できます。
一般家庭ではアンマネージドハブで十分ですが、本気でゲーム環境を整えたい方にはマネージドハブも選択肢になります。
アンマネージドハブに一部機能を追加したアンマネージプラスもあり、こちらはマネージドハブより安価で手に入り、ゲーム環境的にも十分な機能が搭載されているのでアンマネージプラスの方がおすすめです。
ゲームに適したスイッチングハブの条件
ゲーム用途でスイッチングハブを選ぶなら、以下の条件を満たすものがおすすめです:
- ギガビット対応(10/100/1000Mbps)は必須
- ノンブロッキング仕様で複数デバイスの同時通信に対応
- 金属筐体で放熱性が良いもの(プラスチック製は熱がこもりやすい)
- ループ検知機能があると安心
- 可能なら低レイテンシを謳っている製品を選ぶ
価格は5ポートで2,000円〜4,000円程度が目安です。安すぎる製品は処理能力が低い可能性があるので、ある程度信頼できるメーカーのものを選びましょう。
速度低下とゲーム遅延を改善する7つの対処法
それでは、具体的な改善方法を7つ紹介します。簡単なものから順に試してみてください。
対処法1:ギガビット対応スイッチングハブに買い替える
最も効果的な方法は、古いハブを新しいギガビット対応製品に交換することです。
実際に100Mbps対応のハブから1Gbps対応のハブに交換しただけで、通信速度が10倍以上になった事例が多数報告されています。
購入時のチェックポイント:
- 「10/100/1000Mbps」または「ギガビット対応」の表記を確認
- 必要なポート数+1〜2個余裕を持たせる(将来の拡張用)
- 金属筐体の製品を選ぶ(放熱性が高い)
- 信頼できるメーカー(BUFFALO、TP-Link、NETGEAR、エレコムなど)
価格の目安は、5ポートで2,000円〜4,000円、8ポートで3,000円〜5,000円程度です。
対処法2:LANケーブルをCat6以上に交換する
スイッチングハブを新しくしても速度が出ない場合、LANケーブルも確認してください。
ケーブル1本でもCat5を使っていると、その区間がボトルネックになります。すべてのケーブルをCat5e以上(できればCat6)に揃えましょう。
交換の手順:
- 現在使用中のLANケーブルのカテゴリを確認
- Cat5やCat5e以下のケーブルを特定
- Cat6またはCat6Aのケーブルを必要な長さで購入
- 一度に全部交換し、速度テストで効果を確認
Cat6ケーブルは1mあたり100円〜200円程度で購入できます。部屋をまたぐ場合は、長さに余裕を持たせて購入しましょう。
対処法3:スイッチングハブの再起動と接続の見直し
買い替え前に試したいのが、機器の再起動です。長時間稼働し続けると、内部的な処理の滞りで速度が落ちることがあります。
再起動の手順:
- スイッチングハブの電源を抜く
- 3分ほど待つ(内部の電気が完全に抜けるまで)
- 電源を入れ直す
- LEDランプが正常に点灯するか確認
また、この機会に接続ポートも確認しましょう。ポートが故障している場合もあるので、別のポートに差し替えて速度が改善するか試してみてください。
対処法4:デイジーチェーンを減らし直接接続を増やす
スイッチングハブを何台も数珠つなぎにしている場合、可能な限り「スター配線」に変更しましょう。
スター配線とは:
ルーターを中心として、各スイッチングハブを放射状に接続する方法。データがルーターから各ハブに直接届くため、ボトルネックが発生しにくくなります。
理想的な接続:
ルーター → 各部屋のハブ(それぞれ独立)
避けたい接続:
ルーター → ハブA → ハブB → ハブC(数珠つなぎ)
配線を変更できない賃貸住宅などでは難しいですが、可能であれば検討する価値があります。
対処法5:QoS機能搭載のアンマネージプラスのハブを検討する
家族と回線を共有していて、ゲーム中に誰かが動画を見始めると遅延が発生する…そんな悩みを抱えている方には、QoS機能搭載のスイッチングハブがおすすめです。
QoS(Quality of Service)とは、特定のデバイスや通信を優先的に処理する機能です。ゲーム機を接続したポートに優先権を与えることで、他のデバイスの通信に影響されにくくなります。
マネージドハブでなくても、アンマネージプラスでQoS機能搭載のスイッチングハブで大丈夫。本格的にゲーム環境を整えたい方向けの選択肢です。
対処法6:ゲーム機は可能な限りルーターに直接接続する
最も確実な方法は、ゲーム機やゲーミングPCをルーターに直接接続することです。
スイッチングハブを経由しないことで、レイテンシを最小限に抑えられます。ルーターのLANポートに空きがある場合は、この方法を最優先で検討しましょう。
ルーターのポート数が足りない場合は:
- 使用頻度の低いデバイスをスイッチングハブ側に移動
- ゲーム機やゲーミングPCなど、遅延に敏感な機器をルーターに直接接続
- Wi-Fiで十分なデバイス(スマホ、タブレットなど)は無線に切り替え
対処法7:スイッチングハブの設置環境を改善する
意外と見落とされがちなのが、スイッチングハブの設置環境です。
熱がこもりやすい場所に置いていると、内部の電子部品が熱暴走を起こし、性能が低下したり不安定になったりします。
理想的な設置環境:
- 風通しの良い場所(密閉された棚の中は避ける)
- 直射日光が当たらない場所
- 他の発熱機器(ルーター、モデムなど)から少し距離を置く
- ホコリがたまりにくい場所
プラスチック筐体の製品を使っている場合は、特に放熱に注意してください。金属筐体の製品に買い替えるのも効果的です。
速度を落とさないスイッチングハブの選び方
新しくスイッチングハブを購入する際の選び方をまとめます。
必須条件:ギガビット対応とポート数の確認
絶対に外せないのは「10/100/1000Mbps」対応のギガビット製品であることです。
ポート数は、現在接続しているデバイス数+将来の拡張分を考えて選びましょう。一般的な家庭なら5ポートまたは8ポートで十分です。
ポート数の目安:
- 3〜4台接続:5ポート製品
- 5〜7台接続:8ポート製品
- 8台以上:16ポート製品(業務用途向け)
ただし、ルーターからの接続で1ポート使うことを忘れずに計算してください。
ゲーム用途なら低遅延タイプを選ぶ
オンラインゲームを頻繁にプレイする方は、低レイテンシを謳っている製品や、ゲーミング向けとして販売されている製品を選ぶのがおすすめです。
特に以下の特徴がある製品は、ゲーム向けと言えます:
- 「ノンブロッキング」仕様
- 「低レイテンシ」設計
- QoS機能搭載(マネージドタイプ)
- 「ゲーミング」の表記
価格は通常のハブより1,000円〜2,000円ほど高くなりますが、快適なゲーム環境のための投資と考えれば十分価値があります。
金属筐体とファンレス設計のメリット
長時間安定して動作させたいなら、金属筐体の製品を選びましょう。
金属筐体のメリット:
- 放熱性が高く、熱による性能低下を防げる
- 耐久性が高い
- ノイズ対策にもなる
また、ほとんどの家庭用スイッチングハブは「ファンレス設計」です。冷却ファンがないため、騒音がなく静かに動作します。ただし、その分放熱対策が重要になるので、設置環境には気をつけてください。
スイッチングハブ導入時の正しい設置方法
最後に、スイッチングハブを導入・交換する際の正しい設置方法を解説します。
ルーターからの配線経路を最適化する
基本の接続順序:
モデム・ONU → ルーター → スイッチングハブ → 各デバイス
この順序を守ることで、ネットワークが正常に動作します。間違えてモデムとスイッチングハブを直接つなぐと、複数デバイスでインターネットが使えなくなる可能性があります。
注意:スイッチングハブ同士を複数のケーブルで接続しないでください。ループが発生してネットワーク全体が停止します。
熱がこもらない場所に設置する
スイッチングハブは24時間365日稼働し続ける機器です。熱対策は非常に重要です。
避けるべき設置場所:
- 密閉された棚や引き出しの中
- 直射日光が当たる窓際
- ルーターやモデムなど他の発熱機器の真横
- 床に直置き(ホコリが入りやすい)
理想的な設置場所:
- デスクの上や棚の上など、風通しの良い場所
- 壁掛け用のマウントがある製品なら、壁に取り付けるのも効果的
- ケーブルが整理しやすい位置
電源タップの容量を確認する
スイッチングハブは比較的消費電力が少ない機器ですが、他の機器と合わせた合計消費電力には注意が必要です。
特に、ルーター、モデム、スイッチングハブ、外付けHDDなどを同じ電源タップに接続している場合は、タップの最大容量(通常1500W程度)を超えないよう確認してください。
また、古い電源タップを使っている場合は、接触不良で速度が不安定になることもあります。数年ごとに電源タップも交換するのがおすすめです。
まとめ:スイッチングハブの見直しで快適なネット環境を実現しよう
スイッチングハブによる速度低下やゲーム遅延は、適切な機器選びと正しい設置方法で解決できます。
この記事の重要ポイント
- 古い100Mbps対応のハブは速度を10分の1にする最大の原因
- LANケーブルはCat5eまたはCat6以上を使用する
- デイジーチェーン接続は避け、スター配線を心がける
- ゲーム機はできるだけルーターに直接接続する
- 金属筐体のギガビット対応ハブを選ぶ
- 風通しの良い場所に設置し、熱対策を怠らない
特にオンラインゲームをプレイする方は、ゲーム機を接続しているポートまでのすべての機器とケーブルがギガビット対応であることを確認してください。1箇所でも100Mbps対応の機器があると、そこがボトルネックになります。
新しいスイッチングハブは5ポートで2,000円〜4,000円程度と、決して高い投資ではありません。もし10年以上前の製品を使い続けているなら、今が買い替えのタイミングかもしれません。
この記事で紹介した対処法を実践して、快適なネットワーク環境を手に入れましょう!

